それ、できますよ
2026.09.28 UP

解体後まで考えてこそ、
本当に“良い”空間なのか
紅中×石坂産業 第二弾
【イベントレポート】

つくる責任、その先の循環「良い空間のその先へ」 紅中×石坂産業 共創セッションレポート第2弾

「良い空間」とは何だろう。

紅中と石坂産業株式会社が開催した共創セッション第1弾では、この問いをテーマに、つくる側・使う側・循環を担う側が集まり、それぞれの視点から意見を交わしました。

そして今回の第2弾では、その問いをさらに一歩進めます。

完成した空間が役割を終えた後、その素材はどこへ向かうのか。
解体され、分別され、再び資源として循環していく過程を知ることで、「良い空間」の新たな価値を考えるため、参加者の皆さまと共に三富今昔村と石坂産業株式会社の資源再生工場を訪れました

第1弾 レポート

「良い空間」のその先を考えるために

イベントの冒頭では、第1弾の振り返りを実施。
前回はデザインや素材、使い心地といった観点から「良い空間」について考えましたが、今回はさらに視点を広げ、
「良い空間は、役割を終えた後も“良い”と言えるだろうか?」
という問いが投げかけられました。

私たちは普段、建物やインテリアが完成した姿を見ることはあっても、その後の行方まで意識する機会は多くありません。しかし、建材も家具もいつかは解体されます。
そして、その時の素材の扱われ方は、設計や素材選定の段階で大きく左右されるのです。

廃棄物の向こう側にある資源循環の現場へ

オリエンテーションの後は、石坂産業株式会社の資源再生工場を見学。
工場には、解体現場や建設現場から運び込まれたさまざまな建設系廃棄物が集まります。

そこで目にしたのは、「捨てる」ではなく「活かす」ための仕組みでした。
大型機械による選別だけでなく、人の手による細かな選別工程も数多く存在します。木材、金属、コンクリート、プラスチックなどを徹底的に分別し、それぞれに適した方法で再資源化していく。その工程の積み重ねによって、石坂産業では減量化・再資源化率98%を実現しています。

見学の中で特に印象的だったのは、「混ざっていること」の難しさです。
例えば複数の素材が強固に接着された建材は、解体後の分別に多くの手間とコストがかかります。逆に言えば、将来の分別や再利用を考えた設計は、循環しやすい社会づくりにつながるということ。

工場で行われている作業は、廃棄物処理ではなく、次の資源を生み出すための工程そのものでした。

近日公開

工場見学についてはこちらでご紹介しています!

分別のしやすさは、設計段階で決まる

午後からは、紅中と石坂産業株式会社によるクロストークを実施。

紅中からは「つくる側」の視点として、空間づくりにおける素材選定やデザインへの考え方を共有。
一方、石坂産業株式会社からは「循環させる側」の視点として、解体後の素材がどのような課題に直面するのかが語られました。

そこで見えてきた共通点は、「循環は解体現場から始まるのではなく、設計段階から始まっている」ということ。

素材の組み合わせや施工方法、情報表示の有無など、私たちが普段意識しない細かな判断の一つひとつが、将来の再資源化率や処理コストに影響します。
空間を美しく仕上げることと、循環しやすくすること。
これまでは別々に考えられがちだった二つの視点が、実は深くつながっていることを実感する時間となりました。

「良い空間」とは何か。参加者が導き出した答え

続いて行われたグループディスカッションでは、参加者それぞれが工場見学やクロストークを通じて得た気づきを共有。

「普段扱っている素材が、その後どのように処理されるのかを初めて知った」
「つくることばかりに目が向いていたが、終わり方まで考える必要があると感じた」
「素材選定の考え方が変わりそう」

自身の仕事の中でどのような影響を与えられるのか、明日から何を実践できるのかについても活発な意見交換がおこなわれました。
設計、調達、施工、営業など立場は異なっていても、「より良い循環をつくるためにできることがある」という共通認識が生まれていたのが印象的でした。

私たちは普段、建材や家具、空間そのものの価値について考えています。しかし、その価値は完成した瞬間だけで決まるものではありません。

今回の工場見学を通じて見えてきたのは、設計や素材選定が、その後の資源循環にも大きく関わっているということ。

「良い空間」とは、使う人にとって心地よいだけでなく、その先の未来にも配慮された空間なのかもしれません。空間づくりの新たな可能性に気づかされる一日となりました。


会場 / 三富今昔村

石坂産業株式会社が運営するサステナブルフィールドです。
かつて不法投棄の問題を抱えていた里山を再生し、人と自然、そして資源循環のつながりを学べる場として生まれ変わりました。五感を使った体験や環境学習、里山の食や自然に触れるプログラムを通じて、「今日、自分にできること」を考えるきっかけを提供しています。工場見学だけでなく、自然と共生する暮らしや循環型社会について学べる場所として、年間6万人の方々が訪れています。

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主催:株式会社紅中

共催:石坂産業株式会社

会場:三富今昔村 / 石坂産業 株式会社