ビジネスの種
2025.05.13 UP

カーペット・ラグの選び方
素材や機能性を知り
理想の暮らしを見つけよう

リビングや寝室に欠かせないのが、カーペットやラグなどの敷物ですよね。
部屋の大きな面積を占めるものなので、慎重に選びたいアイテムです。
しかし、いざ購入しようとしたときに、「カーペットとラグってそもそも何が違うの?」「何を重視して選べばいいの?」と疑問に感じたことはありませんか?
そこで今回は、カーペットとラグの違いや、それぞれのメリット・デメリット、選び方のコツについてご紹介します。インテリアの視点からのみでなく、機能目的も把握したうえで、自分の部屋にぴったりなものを選びましょう!

目次
カーペットとラグの違いって?
ずばり「サイズ」と「敷き方」
それぞれのメリット・デメリット
カーペットのメリット
カーペットのデメリット
ラグのメリット
ラグのデメリット
これで失敗知らず!選び方のコツ
素材で選ぶ
機能性で選ぶ
パイルの種類で選ぶ

カーペットとラグの違いって?

ずばり「サイズ」と「敷き方」です!

カーペットは、部屋の床全体を覆うように敷かれることが多い敷物です。そのため、サイズも部屋の大きさに合わせられるよう幅広く展開されています。広範囲に敷きたい、または敷き詰めたい場合はカーペットを選ぶと良いでしょう。
一方のラグは床の一部分に敷くもので、ソファ前やベッドの足元など、部分的なエリアに使用されます。サイズは3畳程度までと、カーペットと比べると小さめのサイズに設定されているものが多いです。部屋が狭かったり、インテリアのアクセントとして取り入れたいと考えている方はラグを選択するのがおすすめです。

それぞれのメリット・デメリット ほしいのはカーペット?ラグ?

カーペットとラグの違いがわかったところで、次は自分の部屋にはどちらが向いているのか?それぞれのメリット・デメリットを知って、判断材料にしてみましょう。

カーペットのメリット

⭕床全体をカバーできる

カーペットは床全体を覆うことができるので、床材を保護する役割を果たしてくれます。家具移動による傷や摩耗から床材を守り、長持ちさせることができます。賃貸住宅で傷がつけられないご家庭でも安心です。
また、敷き詰めることで部屋全体に統一感が生まれ、空間を広く見せる効果も期待できます。

⭕防音効果・保温効果が高い

クッション性に優れたカーペットは、防音効果や保温効果が非常に高いです。部屋全体に敷くことで足音や物音を吸収してくれます。マンションの階下への音漏れも防ぐことができるので、子どもがいるご家庭にもおすすめです。走り回って遊ぶお子さんが、転んでしまったときの緩衝材にもなってくれます。
また、冬場の寒さ対策にもカーペットは効果的です。特に毛足の長いパイルのものは保温効果も高くなります。

⭕ズレや滑りを防止できる

薄手のラグは、人が歩くたびにズレたり、ときには滑ったりすることがあります。滑り止めである程度は防止できますが、今度はヨレが気になったり、毎日のこととなるとストレスになってしまいますよね。
床全体に敷き詰めるカーペットであれば、ズレや滑りを心配することなくお使いいただけます。

カーペットのデメリット

❌掃除や交換が難しい

部分敷きのラグに比べ、敷き込みカーペットは簡単に剥がすことができないため、メンテナンスに手間がかかる点がデメリットです。
まずはこまめに掃除機をかけ、ホコリやゴミを溜めないように心掛けましょう。

 

シミや汚れがついてしまった場合は洗剤で掃除します。掃除機をかけたあと、固く絞った雑巾でカーペットを拭き、汚れが目立つ場所に拭き掃除用洗剤を使用します。洗剤には重曹か中性洗剤がおすすめです。汚れが固まってしまわないよう、ぬるま湯を使うと良いでしょう。

ラグのメリット

⭕手軽に模様替えができる

ラグは比較的サイズが小さく、軽量のものが多いため、敷き替えが簡単におこなえます。また、カーペットよりも安価な点も魅力です。デザインやカラーを変えることで、手軽に部屋の模様替えが楽しめます。
季節や気分に合わせて過ごしやすいラグに変えることで、居心地の良い空間をつくることができますよ。

⭕メンテナンスが楽

部分敷きのラグは、簡単に取り外して掃除ができます。掃除機をかけるだけでなく、外に持ち運んでホコリを払うこともでき、メンテナンス面が楽なのもメリットです。
また、ラグの中には洗濯機で洗えるものや、手洗いできるものもあります。ダイニングなどの汚れやすい場所に使用する場合は洗えるラグが安心です。

⭕部屋のゾーニングに効果的

ラグを敷くことで、スペースを用途別に分けることもできます。視覚的に生活空間を区切ると、部屋の中にメリハリが生まれます。
例えば、リビングやダイニングなどの空間ごとにラグを敷くと、リビングとダイニングにそれぞれの島ができます。この島によって、点在している家具がグループ分けされ、空間全体がまとまって見えます。

ラグのデメリット

❌防音効果・保温効果が低い

ラグは部分的なエリアにしか敷かれないため、床全体を覆うカーペットと比べると防音効果や保温効果が劣ります。特に広い部屋や冷えやすい床材の場合、カバー力が不足することがあります。

 

底冷え対策としては、保温性に優れるウールやアクリル素材のものを選ぶと効果的です。防音の面から考えると、パイルが密集したもの、かつ毛足が長めのものを選ぶと良いでしょう。

これで失敗知らず!選び方のコツ

①素材で選ぶ

快適な空間を作るためには、素材にも目を向けてみることも大事なポイントです。カーペットやラグの素材には、大きく分けて天然繊維と化学繊維の2種類があります。それぞれ代表的なものをご紹介します。

~天然繊維~

ウール

原料の羊毛は、弾力がありクッション性に優れています。
クリンプと呼ばれる縮れによって繊維が絡み合い、空気を含むことで、熱が伝わりにくい構造になっています。そのため、冬は暖かく、夏は涼しく感じられるという特徴があります。繊維自体の保水性が高く、静電気が起こりにくく汚れも付着しにくいという機能に加え、調湿機能も持ち合わせているため、室内の湿度調整にも役立ちます。
他にも耐久性が高く、家具の跡が付きにくいなど様々なメリットがあり、カーペット、ラグの素材として高い人気があります。
デメリットとしては、動物性の天然繊維がゆえ、虫やカビが発生しやすいという特徴があるため、できるだけ防虫加工がされているものを選ぶと安心です。

コットン

綿花を原料とした植物性の天然繊維です。
吸水性に優れたサラッとした肌触りで、夏用としてよく使われます。繊維の先端に丸みがあることで、チクチクするような刺激はほとんどなく、肌への刺激が少ない素材です。
また、汚れても洗濯できるため、小さなお子さんやペットのいるご家庭にも人気があります。価格も比較的安価なものが多く、手軽に買い替えたり、季節に応じて敷き替えることができます。
一方でカビに弱い、紫外線により黄ばみやすいなどのデメリットもあります。洗濯すると縮みやすいという特徴もあるため、タグなどで洗濯方法を確認し、正しい方法でお手入れしてください。

~化学繊維~

ナイロン

化学繊維の中でもトップクラスの耐久性を誇ります。
ホテルやオフィスなど、土足で歩行する場所でも幅広く使用されています。へたりや擦り切れにも強く、家具を動かした際のへこみ跡も気になりません。
また、毛玉や遊び毛が発生しづらく、美しさが長続きする点も人気の秘密です。吸水性が低く、手洗いなどをした後も乾燥しやすいため、手入れのしやすい素材と言えます。
虫やカビに侵されにくいという点も、化学繊維のメリットです。ナイロンは化学繊維の中では比較的高価ではありますが、その分品質が良く、永く愛用できるでしょう。
デメリットとしては、紫外線に長時間当たると黄ばむことがあります。また、摩擦には強い一方で静電気が起こりやすく、ホコリなどが付着しやすいため、こまめに掃除をしてあげましょう。

ポリエステル

耐久性・耐摩耗性はナイロンに次ぐ高さを持っています。
さらに保温性、耐水性、速乾性にも優れ、紫外線による変色も起こりにくく、その使い勝手の良さから、化学繊維の中では最も活用範囲が広い素材です。
軽くて肌触りもよく、価格も安くお手軽に購入できるというメリットもあります。虫やカビにも強いです。
デメリットとしては、ナイロンと同じく原料が主に石油のため、静電気が起こりやすいことがあげられます。ホコリなどが付着しやすいため、こまめな掃除を心掛けましょう。吸湿性が低いので、室内の湿気をコントロールする能力は備わっていません。

②機能性で選ぶ

暮らしの利便性を向上したい場合は、機能性を重視して選ぶという方法もあります。敷く場所ごとに過ごし方をイメージして、機能に優先順位を付けておくと、購入後の後悔が少なくなりますよ。

例えば‥

ダイニングには「撥水」「防汚」「ウォッシャブル」

撥水性の高いものは、繊維の表面が水や油分をはじく性質を持つため、汚れを染み込みにくくする効果があります。拭き取るだけで汚れを落とせるため、メンテナンスが楽になりますよ。
パイルの表面にフッ素樹脂を施した、防汚加工のものも、汚れが付きにくくおすすめです。
また、いざ汚れてしまっても水洗いできるものであれば安心です。

お子さんがいるご家庭のリビングには「撥水」「抗菌」「防音」

撥水はお子さんのいるご家庭にもおすすめの機能です。
抗菌機能のあるものは、細菌の増殖を制御する抗菌剤を使用しており、臭いの原因からガードしてくれます。
マンション暮らしには防音加工も見逃せません。歩行音や床に物を落とした時の衝撃音、ピアノや生活音を緩和する効果が期待できます。

ペットがいるご家庭には「抗菌」「消臭」「防ダニ」

家族の一員であるペットと快適な暮らしを送りたい方には、抗菌機能付きのものを選ぶと安心です。
また、どうしても気になる臭いを24時間サイクルでスッキリ消臭してくれる、消臭機能もおすすめです。ホルムアルデヒドを吸着して、分解する効果があるのも嬉しいポイントです。
防ダニ加工は、ダニを寄せ付けない効果のある安全性の高い薬剤を使用しており、ダニの死骸やフンでのアレルゲンを抑制してくれます。効果には持続性があり、ペットにも安全です。

③パイルの種類で選ぶ

肌触りや使用感を左右するのが、カーペットのパイル(毛足)です。あまり注目されないポイントかもしれませんが、パイルの形状によって見た目の表情や耐久性も大きく変わってきます。こだわりたい方はぜひチェックしてみてください!

カットパイル

毛足が切り揃えられているパイルのことです。
ブラッシュ、サキソニー、ツイスト、ベロア、シャギーなど、長さや毛先の形状、密度などによっていくつかの種類に分けられます。
カットパイルはふんわりとした柔らかな手触りと、上品な温かみが特徴です。

ループパイル

毛足が輪っか状になっているループパイルは、弾力性・耐久性の高さが特徴です。
カットパイルに比べ、サラッとした手触りをしています。ホコリや汚れがパイルの奥に入り込みにくく、汚れを落としやすいこともメリットです。
ループパイルはパイルの長さによって、レベルループ、ハイ&ローループ、マルチレベルループの3種類に分類できます。

カット&ループパイル

カットパイルとループパイルを組み合わせたものを指します。
形状の違う2種類のパイルを組み合わせることにより、多彩な表現が可能です。カットパイルとループパイルに高低差があると、さらに個性豊かなデザインが表現できます。
単色でも動きが生まれ存在感があるため、インテリアを楽しむことができますよ。

フラット(パイルなし)

フラットとは、パイルのないカーペット、ラグのことです。
フェルト状のニードルパンチや、キリムやゴブラン織りなどの平織カーペットが代表的です。パイルがないため、家具の跡が付きにくく、家具の下にも安心して敷くことができます。
また、ホコリや汚れが繊維に入り込みにくいこともメリットです。掃除機で簡単に吸い取ることができ、お手入れが楽になります。

いかがでしたでしょうか?
敷物ひとつ選ぶにしても、理想のライフスタイルや住環境を見つめ直すきっかけになりますよね。
ぜひいろんな角度から考え、自分の暮らしにぴったりのカーペット・ラグを見つけてみてください!