間伐材を有効活用したトレースアビリティ建材
今回はプラスチック建材のパイオニアであるフクビ化学工業株式会社様(以下敬称略)が製造する再生木の新しい商品についてご紹介致します。
開発担当、営業担当を含む4名の社員の方々にインタビューをさせて頂きました!
PLUSWOOD(プラスッド)
人工(再生木)木材プラスッドはABSなどのスチレン系プラスチックと木粉を合わせたウッドデッキ材やルーバー材で、「自己消火性がある」「剛性や耐久性が高い」などの特徴があります。
Q,どのような方に使って頂きたい製品ですか
A,デッキやルーバーのような「外部」に木材を使いたいけど、適したものが無いか探している方
➡環境対策にならない
フクビ:「環境に配慮して木材を使いたい」「木を基調とした外装にしたい」という考えが、天然木の耐久性やメンテナンスの面で阻まれてしまい実現しない場面が今まで多くあったと思います。
そこで”環境対策が可能でメンテナンスも不要な外部の木質化”を実現できる製品が、今回ご紹介するPLUSWOOD(プラスッド)です!
\ 環境にやさしい /
間伐材の使用
プラスッドは福井県坂井森林組合で回収した間伐材の木粉を素材として使用しています。
※プラスッドTMは桧原村及び福井県の未利用木材を使用
CO2固定量の表示
プラスッドを使用した建物では物件ごとのCO2固定量を提示できるため「見える化」の実現が可能です。
※参考写真 デッキ・ルーバーに使用
物件名:馬事公苑 / CO2固定量:約51トン
竣工年:2020年 / 施工面積:4,367㎡(概算)
木粉原料:建築現場伐採材(サワラ)、福井県間伐材(スギ)
フクビ:間伐材は基本的には製材として利用されています。間伐材の中でもB材やC材などの製材として利用できないランクのものはバイオマス発電で利用されることが多いですが、間伐材を使用する方法としては適していますが燃やしているためCO2が発生するので、カーボンニュートラルの実現という点ではプラスッドは最適だと考えます。
間伐材を大量に使用可能で、木材としてCO2を40~50年程固定することが可能です。そのうえ再利用も実現すると半永久的にCO2を出さないことが可能になります。まだ再利用については体制が整っていませんが、今後実現していきたいと進めています。
\ 意匠性が高い /
とことんこだわった木目
戸建て住宅向け再生木デッキ「ソライエデッキ」の「彫PLUS」のシリーズは美しい木目柄が引き立つデザインが特徴です。
フクビ:彫PLUSでは小さい木目を複雑に組み合わせているのでより天然木の質感に近づきました。
一番見て頂きたいのは、デッキの板材だけではなく幕板等の側面にも全てエンボス加工をしているところです。金属が見えてしまう部分にも同素材のカバーをご用意していますので統一感も抜群です。価格は上がってしまうのですが、細かいところまでの意匠性が高いところは推しポイントです。
\ メンテナンスがラクラク /
腐りにくい素材
木粉をプラスッドで覆っているため、表層の露出したごく一部の木粉を除けば腐朽しません。ABS樹脂は科学的に木粉成分であるリグニンとの相溶性が高く、元々木粉との化学的な接着強度が高いため吸水割れもしにくくなっています。
※参考写真:横浜ハンマーヘッド
変色が少ない
色は顔料を樹脂に混ぜており、耐候性が高いASA樹脂を使用しているため色落ちとか変色が起こりにくくなっています。
参考写真の通り数年経った物件と最新のサンプルを比較しても変色していないことがわかります。
※参考写真:押上(スカイツリー前)駅
フクビ:木材を外部に使用した物件の不燃の認定を継続させるには3年毎にメンテナンスが必要です。そのたびに足場を組んだり木材を入れ替えたりすると費用が多くかかります。そういう場合こそプラスッドを使用してもらえると嬉しいですね。自己消火性も持ち合わせているので、火災に関しても安全性が高まります。
変色がおこりにくいことで施工時の美しさを長く保つことができるので、外部に存分に使用して頂けます。
◎4mの長尺で使えます!
プラスッドルーバーはPP系人工木材に比べて曲げ弾性率が高いので、アルミや鋼材などの補強を入れることなく、長スパンで施工が可能です。4mの長尺なので継ぎ目を少なくでき、背面側からのみのボルト固定が可能なので美しくすっきりとした印象になります。
※参考写真:馬事公苑
◎圧倒的にお手入れが簡単です!
木材のように干割れたり、ささくれたりすぐに色が褪せることはありません。
ささくれができないのでお子様がデッキでのびのびと遊ぶことができますし、メンテナンスが不要なことでランニングコストを抑えることができるので経済的にも魅力的です。
また、中央部に少しアーチをつけることで水はけも良くなっていることも推しPOINTです。
※参考写真:淡路島モデルハウス
今回はフクビ化学工業株式会社の社員の方々にお聞きしたプラスッドの特徴についてお届けしました。
プラスチックのパイオニアである企業が考える”木”の商品。環境配慮や機能性、意匠性まで様々な魅力が詰まっている商品です。
さらに進化を続ける今後にも注目です!
※人工木材とは
再生木材や合成木材などとも呼ばれ、一般的には木粉とプラスチックを混合した素材の総称を指しています。
※B材、C材とは
木材を品質(主に曲がりなどの形状)や用途によって分類する際の通称のこと。
参考資料
・フクビ化学工業株式会社 | 公式ホームページ