前回の記事に引き続き…
前回の記事に引き続き、今回はキッチンを作られて60年以上の歴史を誇る株式会社 矢島の諏訪工場に伺い、営業であるM様にステンレスの基礎から矢島様のステンレスキッチンについて伺いました!
前回の記事ステンレスとは
鉄に一定量のクロムを混ぜた合金鋼のことをステンレスといいます。
鉄にクロムが加わることで、ステンレスの表面に不導体被膜というナノレベルの薄い膜ができます。その薄い膜のおかげで、ステンレスの表面は腐食(サビ)に強くなっています。
ステンレスはその特性を生かしてキッチンや食器、電車など私たちの生活の様々な場面で活用されています。
ステンレスの長所
サビにくい
サビは金属が酸化することで発生します。クロムを含むステンレスでは、鉄より先にクロムが酸素と反応し、薄い膜(不導体被膜)がステンレス表面を覆うことでさびにくくなっています。
この薄い膜は傷がついてもすぐ修復されるので、サビを防いでくれます。
耐水性・耐熱性・耐汚染性
ステンレスは鉄に比べて熱伝導率が低いため熱に強く、不導体被膜があるため、汚れや水が落としやすい性質があります。
ステンレスの短所
塩素に弱い
塩などに含まれる塩素イオンが不導体被膜を破壊してしまうため、不導体被膜がなくなった部分はサビに弱くなってしまいます。
また、サビたものを表面に置いておくこともステンレスがサビる原因の一つ(もらいサビ)になります。
キズが付きやすい
一般的によくキッチンの天板に使われる素材の中で、ステンレスはモース硬度が低い素材です。そのため、セラミックや天然石に比べると表面に傷がつきやすい性質があります。
ステンレスの汚れやサビを防ぐには、市販されているステンレスクリーナなどのコート剤を月一回程度塗ってケアすることをお勧めしています。
塩素漂白剤を使ったりサビたものをキッチンの上に放置するなどは、ステンレスの不導体被膜を壊してしまい、サビの原因になってしまうので極力しないように気を付けてください。
ステンレス天板はキズがついてしまうこともあります。そんなキズも“家族の歴史”や“共に過ごした時間”として大切にしていただければと思っています。
ステンレス表面の種類と特性
ヘアーライン
髪の毛のような細いラインを長手方向に研磨したもので、ザ・ステンレスといった印象のデザイン。
ステンレスらしさを最大限出したデザイン。
バイブレーション
無方向性のランダム研磨したもので、中古のようなくすみ感があるデザイン。
ステンレスのキラキラした質感を抑えたデザイン。
No.4
ヘアーラインと似ていますが、ヘアーラインより線を短く研磨したデザイン。シンクなどに使用されることが多い。
BA
柄はなく、ステンレスのキラキラした質感を活かした鏡の様に反射するデザイン。
2B
中古のくすみ感があるデザイン。見えない箇所に使用されることが多い。
基本的にステンレスは材料による特性は同じですが、ステンレス表面の加工の違いによって使い方を変えています。ステンレスの特徴を出したい天板はヘアーラインやバイブレーションを使ったり、表面加工の必要のない部分は2B材を使うなど、適材適所に材料を使ってあげることで価格を抑えるなどの工夫にもなっています。
デザイン面でも、すべて同じ表面加工の材料を使ってしまうとのぺっとした印象になってしまうので、アクセントとして違う材料を使うことで立体感のあるデザインになります。
ステンレスの良さを追求したステンレスキッチン
ステンレスの良さを最大限引き出したオールステンレスキッチン。
シンプルなデザインを採用し、ステンレス本来の美しさを活かしています。
厨房設備に使われているようにキッチンの素材として最適材であるステンレスの清潔性・耐久性に加え、デザイン性を兼ね備えたキッチンです。
キャビネットの内側もステンレスで仕上げているので、汚れやニオイが染み込まないため、お手入れも簡単で衛生的。木製の棚板や扉と比べて摩擦に強く、湿気でふやける心配もないため安心して長く使用できます。
キャビネット内には仕切りがないため、自由に収納をカスタマイズできます。
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