固体ではなかった木材(SSD材)

2017/09/11

 

住宅建材でもありますSSD材を取り扱わせていただいております弊社では

 

球磨杉・球磨桧の伐採直後の原木から

 

我が国の湿度とほぼ同一のため木材が安定します

 

平衡含水率の杉・桧材製材品まで

 

幅広い含水率の木材を見かけます

 

 

これだけ含水率が異なる木材は本当に全て固体といえるのでしょうか

 

この点について考えてみたいと思います

 

 

まず杉材は木繊維の固体部、木繊維に結合している結合水

 

仮道管という孔の中を行き来できる自由水、水が抜けた孔(空気)など

 

で構成されています

 

 

これを「固体」、「液体」、「気体」に分けますと

 

木繊維自体は、ほぼ固体と液体

 

仮道管という孔の中は、ほとんど液体と気体であり

 

 

固体、液体、気体の全てで構成されるということは

 

その構成割合は異なりますが、雲に似ています

 

 

 

ところで、杉材内の木繊維の固体部の比重はどの程度のものなのでしょうか

 

 

杉材の表面は柔らかいので、表面を硬くすることなどを目的として

 

杉材を圧縮した圧縮木材が作られています

 

 

乾燥した杉材の比重は0.38前後ですが

 

圧縮した杉材の比重が0.8から0.9程度の商品も作られており

 

 

また桧材の圧縮木材には水に沈むものもあり

 

木材の本当の比重(木繊維の固体部の比重)は1を超えているとのことです

 

 

そこで、まず伐採直後の杉の原木についてですが

 

 

 

平均含水率が150%前後で、比重は0.97前後とのことですので

 

重さ(質量)比で「水」と「木繊維の固体部」の割合は150:100で

 

 

また、木繊維の固体部の比重が1以上ですので

 

「水」と「木繊維の固体部」の体積比は150:100以下となり

 

 

木材内部の「空気」の体積は

 

原木の比重と木繊維の固体部の比重により2割以下になると思われますので

 

体積比では「水」の割合が最も高くなっています

 

 

 

次に含水率15%の杉材についてですが

 

乾燥などよる木材の縮小は、最大の板目方向でも1%もない程度ですし

 

乾燥などによる木材の分解の影響をしないで考えますと

 

 

含水率が15%と原木から135%下がっていますので

 

重さ(質量)比で「水」と「木繊維の固体部」の割合は15:100で

 

木繊維の固体部の比重が1以上ですので

 

「水」と「木繊維の固体部」の体積比は15:100以下となりますが

 

 

水の抜けた空隙部には空気が入っていますので

 

「空気」と「水」と「木繊維の固体部」の体積比は

 

135:15:100以下と、「空気の割合」が最も高くなっています

 

 

このように杉の伐採直後の原木は「水という液体」に近い性質を持ち

 

乾燥後の杉材は「空気という気体」に近い性質を持つようになっています

 

 

 

 

このため、乾燥後のスギ材は、断熱性能に優れた空気の性質に近い

 

断熱性能に優れた素材となっているのです

 

 

 

 

今後は住宅にさらに優れた断熱性能が求められてまいりますので

 

皆様も熱伝導率が低く、断熱性能に優れた素材であります

 

球磨杉材(SSD材)にご期待ください

 

 

 

SSD(SSD材)プロジェクトメンバー

 

 

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