住宅建材でもありますSSD材を扱っております弊社では
無垢材の特徴を常にお伝えしているのですが、
そのひとつに湿度の調整というものがあります
内装が木材である家や建物、例えば古いものでは正倉院の校倉内部では
湿度がほぼ一定幅に保たれることが知られています
そこで本日はなぜそうなるのかについて調べてみることにします
これまで表面の状態をご案内してまいりましたSSD球磨杉材
ここに先日購入いたしました拡大レンズをパソコンに付けまして
皆様が普段なんとなく表面の状況が違うと感じておられます
立木を切った切株面
ここを約58倍で拡大いたしますと
一部分に小さな点が集まっています
これは仮道管と呼ばれる孔で、「木口面」と呼ばれます立木を切った面に多く開いています
孔がびっしりと並んでいますが、表面に何か被さって見えるような箇所もあります
ミクロトーム(スライスして薄くする機械)で切り出せれば良いのですが、
手元にはありません
そこでやむなく、孔に粉が入ることを覚悟して表面を微細加工用の紙やすりで擦り
被さった箇所をきれいにすることにします
その約58倍の写真がこちら
まだよくわかりませんので、
さらに拡大して約212倍にしますと
年輪を構成する色の濃い箇所も色の薄い箇所も孔だらけです
規則的にぼまっすぐに並んでいる孔とその周辺の壁で構成されています
すごく小さい孔だらけなのです
最近の住宅は木材の無垢材の木口部が室内に現われている住宅は少ないのですが、
以前にお邪魔しましたログハウスは、室内に角ログ材木口部が露出しており
しかもその箇所も複数ですので、
室内は本当に微細な孔だらけとなっており
まさに今の梅雨時などに、室外から高い湿度の空気が流れ込みますと
孔の多い木口面などから湿度の低い木材内部に移動することによって
室内の湿度が低下し
また冬場などに室内への加温等により室内が乾燥したときには
室内よりも湿度の高い木材内部からこの孔を通して
室内に向けて湿度が移動することによって、室内の湿度が高くなり
この繰り返しで、室内の湿度が一定幅に保たれます
このように木材が表面の小さな孔を通して、室内湿度を調整しますために
内装に無垢材、特に木口面がそのまま見える形でお住いの皆様は
様々な恩恵を受けられることとなるのです
本当にこんな微細構造を、いつの間にか内部に作っていた球磨杉に
感謝したいですね
SSD(SSD材)プロジェクトメンバー