住宅建材でもありますSSD材(国産材)を取扱わせていただいております弊社では
これまで空や植物や木材などの自然要素と
建築物は取り合わせが良く
一定の条件が整いますと感動を呼ぶことを
ご紹介してまいりました
今回はなぜこのようなことが起きるのかについて
ゆっくりと考えてみたいと思います
まず最初に、人の識別能力についてですが
色彩については
一般的に数万色以上の認識が可能とされています
色見本帳には一万色もありませんが
確かにこの見本帳以外の色を
様々な場所で見つけることができます
洋服などで、これまでたった一回しか見たことがない色もありました
次に人の物質の存在の認識に必要な時間については、
0.1秒以下であり
そうでなければ
疾走する電車の車窓から町並みを見ていくことはできません
また、この人の色の識別能力や
物質の識別速度には個人差があり
非常に多種や高速の識別を持っている方がおられます
世の中にはこのように多くの色彩が存在し
さらに人間は物質の多様な色や形について
瞬間的に識別してしまうことが可能であるという環境下において
例えば建築物は、人に対して
その色や形を呈示するということになります
人が物事に興味を抱く条件のひとつは
その配置配列が新しいこと、であり
人は新しいものを見ることが好きです
一方、巨大な建築物の場合
色彩や形で人が新しさを想起できる
多くの際立った変化を与えることは
経費的にも施工上においても、とても難しいことになります
一体どのようにして、建築物に新しさを求めていけば良いのでしょうか
幸い我が国は温帯に位置し
温度の変化に伴う四季の移ろいがあります
また、これに伴い
春に芽吹いた植物は
あざやかな新芽から刻々と色彩を変えて生育し
鳥や昆虫や動物が生息し
変化を続けていきます
生育を続ける植物はそれを見ている人に力を与えていき
夏に力感を持つ植物や
秋をいざなう植物や
小さな生き物
さらに下がりゆく気温に相応しい
そのときに求められる景観
その構成には、大気や雲や植物と
建築物自体を調和させることが
ひとつの適切な手法になります
東南アジアなどの熱帯地域には
多少の気温の変化はあっても
四季がありません
このため、春に一面に咲き揃うソメイヨシノや
葉が繊細なイロハモミジなどの素晴らしい紅葉
普段は全く観られない白銀の世界に
強く心を動かされるのですが
この自然の風景の中に
人の造形物である建築物が背面に存在すること
これがひとつの最高の配置となります
自然景観と建築物
どちらも秀逸な日本であり続けていきたいものですね
球磨ウッド事業部、SSD(SSD材)プロジェクトメンバー