商品と価値
2025.06.30 UP

廃棄布を使用した
アップサイクル素材
【NUNOUS】

NEWVOT³で”素材”を学ぼう!

「発想を生み出す、広げる」がテーマのNEWVOT³の4階では様々なサステナブルな素材が使用されています。

その中で今回は各ブースのサインに使用した”NUNOUS”についてご紹介します!

今回のインタビューのお相手は、、、

セイショク株式会社 NUNOUS事業部 東京支店 清水様
(以下敬称略)

NUNOUS(ニューノス) 布由来のアップサイクル素材

NUNOUSとは

 

VENICHU MAGAZINE編集部(以下、VM):NUNOUSとはどのような素材ですか。

清水:衣服になれなかった繊維廃材をアップサイクルしているものです。
廃棄布と非可食性サトウキビ由来のバイオポリマーフィルムを交互に積層したものに熱をかけ、その後プレス成型して製作します。
その後は用途により、薄くスライスして内装パネルなどに使用したり(SKIN)、塊のまま切削などで成型して加工したり(STONE)して使用されます。

画像上:廃棄布と非可食性サトウキビ由来のバイオポリマーフィルムを交互に積層したもの
画像下:プレス成型したもの

VM:独特な柄が印象的ですが、どのようにしてこのような柄が生まれるのでしょうか。

清水:布を積み上げる時点で歪みがあり、プレスをしてもそのまま柄として出てくるんですよ。
どんな柄になるかは想定できないのがおもしろいところです。

VM:布なのに木目っぽく見える柄がおもしろいなと思います。

清水:布でありながら木のようであり、大理石のようでもある雰囲気を出せるところも特徴です。
布でこの柄を出そうと思ったら絵を描くか、プリントするしかない一方でNUNOUSは自然と出てくる柄がおもしろくて芸術的だと私も感じています。

唯一無二の柄が特徴的なNUNOS

魅せ方が違う2種の加工方法

SKIN(スキン)

清水:従来の布素材のように端がほつれないため、端の処理をしない(フリーカット)で製品化が可能です。
布の質感を残しつつも、厚み自体はオーダーに合わせて加工が可能なのでいろいろな場面でご使用いただけます。

ツキ板製造をおこなっている工場でスライスしていただいています。最薄で0.35mmほどの加工が可能なため、光も透けてランプシェードやLEDを仕込んだサインなどにもお使いいただけます。

予想できない模様

色の付いた木の板のようにも見える模様やアートにも見える模様。その時々の模様が生み出されるのでオンリーワンを実現できます。

光が透ける薄さも可能

表裏がないため、両面とも表として使用可能です。光を通すほど薄く加工することもできるので、くるっと巻くだけでランプシェードにもなっちゃいます!

様々な使用方法

巻いたり貼ったりすることも可能なので、曲線部分にも使用できます。布の塊だと重たくなってしまいますが、軽い素材(木材など)と一緒に使用することで意匠性を上げるカウンターやサインボードが完成します。

STONE(ストーン)

清水:NUNOUSを塊のまま切削したものがSTONEです。水平方向・垂直方向のどちらの向きで切るのかで全く表情が変わってきます。どのような場所にどのように魅せたいかを考えるのもたのしいですよね。
塊の状態で使用する事で自立可能な強度も保つことができるので使用場所や方法はいろいろ考えられると思います。
サイズ・形状も多様な加工が可能なので小物を製作したりアートパネルとして使用したりできます!

異なる2つの魅せ方

水平方向に切るとSKINと同様に木目や大理石のような魅せ方。垂直方向に切ると地層のように重なりを感じる魅せ方。
同じ製品でも違う魅せ方ができるところが魅力です。

削り出しで生まれる新しい顔

STONEを削り出して小物を作成しています。こけしやりんごのオブジェはいろいろな断面が出てくるので個性のある表情が生まれます。
この削り出しの作業は実はひとつひとつ職人が行っているところも注目ポイントです!

様々な布のアップサイクルを実現

NUNOUSの使用される生地の種類

 

VM:廃棄布を使用しているとのことですが、どのような素材の布でもアップサイクルが可能なのでしょうか。

清水:基本的にはどんな素材でも布であれば可能です。ただ、アクリル100%のものだと圧着の過程で熱をかけると燃えてしまうので不可能ですね。
また、防炎加工がしっかりされているものになると接着材が付かないので圧着しても布同士が剝がれてきてしまいます。防炎加工されているもので言うとカーテンは可能なものもありますが、消防士の服は難しいです。

 

VM:なるほど。デニム生地なども加工可能なのでしょうか。

清水:デニム生地は可能です。デニム生地の会社さんに規格外品を買い取りさせてもらい製作しています。

 

VM:デニムも可能なのですね!いろんな素材が混ざるともっと違う表情が出てきそうですね。

清水:デニム生地を使用する際はデニム生地のみで加工をおこないます。
普通の生地はペラペラのものが多いですが、デニム生地が厚みがあるので一緒に圧着すると薄い方が負けてしまうんですよ。
デニム生地は比較的柄が大味に出るのでいろんな表情が出てきておもしろいです。

VM:生地の素材同士の相性も関係してくるということですね、、、

清水:はい。使用する生地によって強度は特に差はないですが、厚みや柄が変化するのがおもしろいところです。
NUNOUSは布ならではの手触りが魅力です。生地によっても変わってくるのでその部分も楽しんでいただけると思います。

\ こんな布もできちゃいます /

旅館の館内着や浴衣を使用

競輪選手のユニフォームを使用

今回はNUNOSの製作方法や素材の魅力、様々な魅せ方についてお聞きしてきました。
新しい廃棄布の利用方法。アイデア次第で使い方は無限大です!

次回はNUNOSの生まれたきっかけや込められた想いについてご紹介します(^^)

取材協力

セイショク株式会社

ご紹介製品:NUNOUS