商品と価値
2024.06.18 UP

カーボンニュートラル達成
に向けて木質化を目指す方に
プラスッド=木材という認知を

現代ではカーボンニュートラル達成に向けて建築物における木材利用の促進の動きが注目されています。その取り組みのひとつとして温室効果ガスの要因である二酸化炭素を大気中から減らせる「炭素固定」に期待が寄せられています。

前回記事でご紹介した間伐材を有効活用したトレースアビリティ建材「PLUSWOOD(プラスッド)」。
引き続きフクビ化学工業株式会社様(以下敬称略)の社員の方々にお話をお伺いし、CO2固定量を提示できる点に注目してご紹介します!

/ 前回記事はこちら \

国産材木粉活用素材「プラスッド」

福井の森で採れた間伐材の木粉をスチレン系特殊プラスチックと混合したフクウッドを、押出成形した製品が人口木材プラスッドです。
プラスッドは福井の森林を守り、森林資源の有効活用を目指す森林組合と一緒に製造しています。
「地産地消」「地産外消」のものづくりを通じて、元気な森林づくりとともに、地球環境保護への貢献を目指しています。

Q,プラスッドの最大の特徴は何でしょうか。

A,一番のメリットはCO2固定量を物件ごとにお知らせできることです。

フクビ:木材はCO2を中に固定できるため、建築物等に国産木材を使用しようという動きが近年多く見られています。

東京の港区では「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」という制度があり、区内で建てられる建築物等に国産木材の使用を促すことで区内でのCO2固定量の増加と国内の森林整備の促進によるCO2吸収率の増加を図り、地球温暖化防止に貢献することを目的としています。なお、この制度では認証された協定木材を使用することを推奨されています。

フクビのプラスッドに使用している木粉もこちらに該当しているため、CO2固定量の認証をして頂いています。

  物件名:馬事公苑
CO2固定量:約51トン
  竣工年:2020年
 施工面積:4,367㎡(概算)
 木粉原料:建築現場伐採材(サワラ)
      福井県間伐材(スギ)

  物件名:横浜ハンマーヘッドパーク
CO2固定量:約3トン
  竣工年:2020年
 施工面積:256㎡(概算)
 木粉原料:福井県間伐材(スギ)

  物件名:道の駅越前おおの荒島の郷
CO2固定量:約3トン
  竣工年:2020年
 施工面積:480㎡(概算)
 木粉原料:福井県間伐材(スギ)

みなとモデル二酸化炭素固定認証制度とは

区内の公共施設・民間建築物等での協定木材または国産合法木材の使用を促し、その使用量に相当する二酸化炭素固定量を区が認証する制度です。
区内で建てられる建築物等に国産木材の使用を促すことで、区内での二酸化炭素固定量を増やすとともに、国内の森林整備の促進による二酸化炭素吸収量の増加を図り、地球温暖化防止に貢献することを目的としています。

協定木材

港区と「間伐材を始めとした国産材の活用促進に関する協定」を締結した自治体(協定自治体)から産出された木材を、「協定木材」と呼びます。
この協定では、伐採後の再植林と間伐などの適切な森林整備を行うことを約束しています。したがって、港区内で協定木材がたくさん使われると、協定自治体の森林更新が進み、更新された若い森林は二酸化炭素をたくさん吸収します。

国産合法木材

林野庁が策定した「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」により合法性が証明された木材で、国産のものをいいます。
この制度では、建築主が最大限努力しても適切な協定木材を調達できない場合、国産の合法木材も認証の対象となります。

※引用:港区ホームページ

多摩産材入り再生木「プラスッド-TM」

再生木プラスッドに、これまでの福井県産材の間伐材活用に加え、東京都多摩産材の新たな活用方法として、多摩産材入り再生木「プラスッド-TM」をラインナップしました。

プラスッドの特徴

フクビ:現在、フクビでは東京の檜原村から東京の木を仕入れて東京の多摩産材を使用した”プラスッド-TM”として販売しています。
元々東京都で福井県の素材を使用したプラスッドを販売していたのですが、東京都でも仕事している以上東京都でなにかできることがないかなと考えました。その頃から多摩産材を多く使用していこうという動きがあることは知っていたので、フクビとしても使用できないかと働きかけたところ商品化でき、多摩産材(とうきょうの木)としての認定も頂きました。

今までは天然木材でしか多摩産材の認定はなかったのですが、フクビの環境対策を考えた間伐材の利用の面などから、多摩の森林の循環を促進できるということをご理解いただけまして、再生木として多摩産材の商品として認定して頂きました。
トレースアビリティを取りにくいとされていた再生木としての認定はフクビのプラスッドのみとなっています。

”とうきょうの木”とは

「東京の木 多摩産材」

東京の多摩地域で育ち、適正に管理された森林から生産され、多摩産材認証協議会が産地を証明したものが、「東京の木 多摩産材」となります。
生産から製材までの流通過程を登録事業者が行うため、産地が確実に証明されます。
「東京の木 多摩産材」を使うことは、多摩の森林の手入れにつながります。伐った木を使い、伐った跡地に苗木を植えて育てる、森林の循環を維持することで健全な森林が育ちます。

多摩産材認証協議会(東京都、森林所有者、製材業者等で構成される協議会)は、「東京の木 多摩産材」を多くの方に知っていただくため、2022年4月より「とうきょうの木」を愛称として使用しています。

※引用:一般社団法人 東京都森林協会

フクビ:ありがたいことに「フクビ=プラスチックを扱う会社」と認識頂いています。

その一方で「プラスッド=木材」という認知はまだ低いため、木質化をしたくて木材を求めている方がプラスッドを見ても「木ではなくプラスチック」という認識になり、最初から選択肢には入っていないことが多いと感じています。
ですが、”多摩産材(とうきょうの木)”としての認定を頂いたことで、「プラスッド=木材」と認識して頂きやすくなりました。これを機に木材の業界の人にも知っていただき、使用して頂けたら嬉しいなと思っています。

プラスッド-TM対応製品

プラスッド デッキND

プラスッド ルーバー

※こちらの物件は多摩産材入りではございません。
※プラスッドーTMで同様のご提案が可能です。

全2回の記事にてフクビ化学工業株式会社様のPLUSWOOD(プラスッド)についてご紹介させて頂きました。
インタビューを通して、環境対策への想いや福井県の間伐材を利用する地産地消への意識など様々な想いが詰まった商品だということを知ることができました。
木を扱う業界にいる紅中として、今後も環境対策への関心を忘れず取り組んでいけるようにしていきます。

今回インタビューにご協力いただいた社員の方々に感謝申し上げます。ありがとうございました!