「”良い”空間」に正解はあるのか 紅中×石坂産業 共創セッションレポート
「良い空間って、なんだろう。」
家具や内装に関わる仕事をしていると、当たり前のように使っているこの言葉。
でも実は、その“良さ”の定義は人によって様々です。
2026年5月15日、NEWVOT³にて開催された
紅中×石坂産業の共創セッションは、そんな曖昧で奥深いテーマに正面から向き合う場となりました。
「つくる側」と「その先を見る側」が出会う
今回のイベントは、紅中にとってもひとつの転機になる取り組みでした。
これまで紅中は、「空間が完成するまで」にどう価値をつくるか、という視点が中心でした。
そんな中で出会ったのが、石坂産業。
彼らは、完成したあとの空間――つまり、廃棄や資源の循環といった「その先」までを見ています。
この出会いをきっかけに、
「空間って、完成したあとも含めて考えるべきなんじゃないか?」
という問いが生まれました。
そもそも「良い空間」と一言でいっても、
デザイン、心地よさ、使いやすさ
環境への配慮、背景にあるストーリー
その基準は人それぞれです。
改めて感じたのは、「良い空間」に正解はないということ。
だからこそ今回のイベントでは、“つくる側”である紅中と、“その先を見る側”である石坂産業、2つの視点をあわせることで、空間の価値をひとつに決めつけずに考える場をつくりました。
目的はシンプルです。
「良い空間」の捉え方を広げること。
そして、自分なりの視点を少し深めること。
大事にしたのは、ただ聞くだけで終わらないこと。
話して、聞いて、また考える。
その中で「自分にとっての良い空間って?」が自然と見えてくる時間を目指しました。
異なる2つの視点
同じ会社でも違う「良い」
紅中のセッションでは、社員それぞれの「良い空間」が共有されました。
素材の手触りや質感、背景にあるストーリー、使い手への細やかな配慮
同じ会社で仕事をしていても、着目点はまったく違うということを踏まえて、“良い空間には正解がない”という想いをお伝えしました。
空間は「終わらない」
提示されたのは、「ごみ」という切り口。
空間を構成する素材は、最終的にどうなるのか
廃棄されるのか、再利用されるのか
そのプロセスまで含めて価値を考えられているか
つまり、空間は「完成して終わり」ではなく、「その後まで続くもの」。この視点は、多くの参加者にとって新しい気づきとなっていました。
自分の”良い”を言葉にする時間
イベントの後半では、参加型ワークを実施。テーマはシンプルに、「自分にとっての良い空間とは?」
一人で考えているとなんとなく曖昧なままだった“良い”も、言葉にしてみると、少しずつ見えてきます。
さらにそれを人と共有することで、「自分はここを大事にしてたんだ」と気づいたり、「そんな見方もあるのか」と新しい発見があったり。
同じテーマでも、人によってこんなに違うんだと感じる場面がありました。
その違いに触れることで、自分の中の考えが少し広がっていく——そんな時間になりました。
紅中×石坂産業クロストーク
ーー
互いのフィールドを訪れた感想や、今後の”空間”との向き合い方について2社でトーク。
参加型グループワーク
ーー
参加者が2グループに分かれて、各自が思う「良い空間」について話し合う。「否定はなし」「正解を出す場ではない」をルールに考えを共有。
参加者の声
特に印象的だったのは、“完成後まで含めて空間を考える”という視点。「廃棄や分別まで考えたことがなかった」
「自分にはなかった考え方に触れられた」
といった声もあり、参加者それぞれが新しい気づきを持ち帰っている様子が感じられました。また、
「一方的に聞くだけじゃなかったのが良かった」
「参加者同士で話せたことで考えが広がった」
など、“対話形式”そのものへの反応も多く見られました。
今回のイベントを通して改めて感じたのは、「”良い”空間」は、一人では決められないということでした。
話して、聞いて、少し考え方が広がる。そんな時間の中にこそ、空間の価値があるのかもしれません。
これからもNEWVOT³を舞台に、さまざまな人や価値観が交わる場をつくっていきたいと思います。
会場/NEWVOT³
ここは、何かを「完成させる場所」というより、やってみたいことを気軽に試せる場所です。
・人が自然と集まって、その場で話が広がる
・その場で考えたことをすぐ話せる
そんな空気が、もともとNEWVOT³にはあります。
今回は3Fと5Fをメインに使用し、話を聞くだけで終わらず、その場で考えたり、誰かと話したりする時間が自然と生まれていました。