来年夏に「第30回NIE(教育に新聞を)全国大会神戸大会」が開かれるのを前に、もっと新聞に親しんでもらおうと、神戸新聞が特製の閲覧台の寄贈をおこないました。
今回は、木製の新聞閲覧台の製作を紅中が担当し、実際に寄贈を受けた鶴甲小学校にてお話を伺ってきました。
”新聞”のイメージとは
新聞を読むメリットとして「世の中の出来事や動きについて信頼できる情報を得ることができる」という高い信頼性が多く挙げられます。
一方で、「読むことに時間がかかる」「手軽に見開きできない」といったようなデメリットがあります。(※1)
総務省がおこなった情報メディアに関する意識調査(※2)の結果、10代~60代の主なメディアの平均利用時間は194.2分のネット利用が一番多く、新聞購読時間は5.2分に留まりました。
なかでも10代の新聞購読時間は0分という結果になりました。
あくまで平均ではありますが、いかに”新聞”が今の若者にとって身近な存在ではないかということがわかります。
では、なぜ新聞購読時間が少ないのか。どうしたら新聞を身近な存在にできるのか。
そもそも新聞を取っていない家庭が増えている今、新聞を手に取る環境づくりから始めてみることが第一歩なのではないでしょうか。
教育に新聞を
膨大な情報が行き交うインターネット社会で、正しい情報を取捨選択し、読み解く情報活用力が必要不可欠です。地域や社会の中で課題を見つけ、解決のために行動する力を育むことが求められます。
新聞の強みは、事件・事故、政治、経済から文化、スポーツまであらゆる分野の情報が網羅され、その一つ一つの記事が複数の目による厳しいチェックを経て世に出ている、信頼性の高いメディアであることです。
新聞を学校や家庭での学習に活用することで、社会への関心を高め、自分ごととして考えを深めることにつながります。(※3)
新聞を教育に活用するために「NIEタイム」をはじめませんか。
NIE(Newspaper In Education)とは
学校などで新聞を教材として活用する活動です。
教育界と新聞界が協力し、社会性豊かな青少年の育成や活字文化と民主主義社会の発展などを目的に掲げて、全国で展開しています。
新聞に親しむことで、社会への関心を高め、自分ごととして考えを深めることにつながります。
学校で取り組むNIEタイム
朝の時間やショートホームルームなど短い時間を活用し、継続して新聞を読む活動「NIEタイム」と取り入れている学校が増えてきています。
今回寄贈を受けてくださった鶴甲小学校は以前より新聞6紙を取り、NIEタイムを実施していました。
ですが、「今までは机の上に並べておくだけだったため生徒たちが自ら新聞を手に取りにくい環境にあった」(酒井校長)ため今回の新聞閲覧台の寄贈の呼びかけに手を挙げたとお話してくれました。
・新聞が見やすくなって自分の調べたい・知りたいことが探しやすくなった
・新聞台があることでくしゃくしゃにならず見やすくなった
・いろんな新聞を読みたくなる
・新聞に触れる機会が増えていろんなことを知ることができるので自分の世界が広がる
・背が低くても読みやすい高さで、木目がおしゃれ
・新聞台に新聞を広げて置いてあると「なんだろう」と気になって読みたくなる
鶴甲小学校5年生の生徒さんたち
新聞が見やすくなったと喜びの様子
子供って興味を持つことが多いと思うんですよ。家の本棚に親が読んでいる本が並んでいるとそれをちょっと手に取ってみたりしますよね。
今までは図書館で読む際に、新聞って大きいので机の半分くらいの面積を使ってしまうので座って読むには難しかったです。なので、立って読んでたのですがそのスタイルに慣れてない子たちも多かったです。そうなるとそこまでして新聞を読みたい子って少なくなってしまうんですよ。
新聞専用の家具を用意して、そこに新聞が広げてあることで、子供たちが新聞に興味をもって読みたくなる・読みやすくなる効果があればいいなと思います。
やっぱり環境を整えることってすごく大事だと思いましたね。
新聞閲覧台はどのようにして出来上がったのか。こだわったポイントはどこなのか。担当社員にインタビューしました!
広がり続けるNIE活動。
新聞を通してたくさんの考えや未知の世界に出会うことで、学びの姿勢がより主体的になる効果も見られています。学校図書館に新聞があることで、新聞を手に取る機会を増やすことができます。
今回は神戸新聞の依頼で新聞閲覧台を製作することで紅中としても新たな学びやふれあいがあり、大変光栄な機会でした。
今後も「新聞を読みやすい・手に取りやすい環境づくり」のお手伝いをさせていただければと思います。
参考資料
※1 第14回 メディアに関する全国世論調査 (2021年) | 公益財団法人 新聞通信調査会
※2 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 | 総務省 情報通信政策研究所
※3 NIEとは
※4 神戸新聞NEXT
取材協力
・神戸新聞
・鶴甲小学校