木を切るのは悪いこと?
35度を超える酷暑や、毎年のように起こる集中豪雨による災害など温暖化の影響を生活の中で感じることが近年増えてきています。
2021年11月に行われたCOP26では、2030年に世界全体の温室効果ガス排出量を2010年比で45%削減、そして2050年頃には実質ゼロにする必要があることが合意文書に書き込まれたように、年々と地球温暖化に対する危機感は上がってきています。
その中でも木は二酸化炭素の吸収や、炭素を固定する役割で環境に貢献しています。
そんな木を伐採するのは温暖化につながる「悪いこと」なのでしょうか?
木を使った方が環境にいい
森林の大切な役割の1つである「光合成」。
年を取ると体力が衰えるように、木も成長すると光合成で吸収する二酸化炭素の量が減少することが分かっています。
効率的に二酸化炭素を吸収し続けるには、古い木を伐(き)って、使って、新しく植えるという「森林の循環」が重要になってきます。
伐採した木を活用する
「森林の循環」のためには伐採した古い木を活用しなければいけません。
古い木の中には、直径が30センチを超える「大径木」と呼ばれる木が多く存在します。
大径木は太すぎて製材が難しく、用途が少ないのに量が多く、価格が下がるなどの課題があり、大径木の有効活用は近年大きな課題となっています。
大径木を活かして
SSDとは
日本三大急流の一つ、球磨川の源流がある熊本県奥球磨地域。
この森で大きく育った球磨杉・球磨桧を独自開発の熱処理技術で製材した国産材です。
使えるところは全部使う
独自の熱処理技術により、製材時の反りや曲がりを抑制。これにより、大径材を利用した高効率で美しい芯去り材の採取が可能になりました。
大径木からは複数の構造材が採取でき、端材も節のない化粧材として利用できます。
無垢の美しさを追求
独自の熱処理技術により、乾燥によるひび割れや節のない国産無垢材を実現しました。
製材前の熱処理、仕上げ乾燥を中温域で行うことで木材本来の美しい色艶を残したまま、高い意匠性を実現しました。
木から地域へ
熊本県奥球磨地域は樹木の成長が早い九州南部地方に属しています。
この地域では人工林の高林齢化に伴い、末口の直径が40センチを超える杉の木は珍しくありません。桧(ヒノキ)でも30センチを超えます。
このような大径材はかつて、和風建築において梁や無節化粧材などに重宝されていました。しかし、本格和室の減少や外国産の木材などへの移行などの理由から、近年あまり活用されていませんでした。
新技術により、大径木を有効活用することが可能になりました。SSD球磨桧・杉はJAS及び高意匠性能等が備わった付加価値材である上、適正な現実的価格を実現しています。
これにより、大径材の相場価格を平均並みに上昇させ、木の生産元へ直接還元し、地域内で製造することで地場木材産業から地域経済の活性化に繋げることを目標としています。