第三回京都鴨川建築塾参加!

2018/07/10
みなさんこんにちは。
京都営業所の池嶋です。第三回目の参加となりました。
徐々にレベルも高くなり課題発表です。
では、案内して行きます。

今回は記録的な豪雨となり、近畿地方の各電車が運行見合わせが相次ぐ中決行されました。
私もJRが全く不通のため、近鉄で運行している場所まで奥様に送って頂き、
地下鉄併用で何とか参加できました。
中には四国から来られている方も頑張って遅れながらも出席されました。
それ程、皆様前回の課題を三澤文子先生に評価して頂き、
勉強したいのだと非常に感銘を受けました。

場所は京都市上京区丸屋町260番地にある「よしやまち町屋校舎」という所で行われました。
現在は京都建築学園様の所有物でもあります。表屋を改修工事されました。
現在は伝統教材や演習室、野外活動の場、町家型住宅改修モデルとして利用され、
伝統建築空間、伝統工芸、耐震技術などの研究や調査をして教育されていく場所との事です。
歴史は古く我京都営業所と同じく棟札に大正元年とかかれた100年を超える建築物です。
長い間空き家となっていたため、傷や歪みもひどかったとの事です。
京都の町家クラスとしては中の下若しくは下の上といったクラスの建物との事でした。
非常に歴史を感じることが出来、京都ならではの雰囲気や改修して再利用しよう、
また教育の場にしようという取組に非常に感銘を受けました。
間口はとても広く、中の下とは思えない雰囲気です。
 
改修されて古い材料を使いながら現代にも受け継がれております。





 
 
私はこういう床の間が非常に好きです。いまの住宅ではなくなってきており、さみしさを
感じております。

当時の伝統的軸組み工法の模型です。我京都営業所での改修時にも目の当たりにしました。
改めてこう見ると伝統的軸組み工法で建てられていたところで、
今そこにいていることに対しての歴史の有り難さを感じております。

■10:15~10:45 よしやまち町屋校舎@植久塾長挨拶
わざわざ足元が非常に悪い中、東京から参加してくださいました、
植久塾長からの恒例のイントロダクションからのスタートです。

1952年の住宅をリメイクしスミレアオイハウスというものに改修されたのを紹介くださいました。


■10:45~18:00 よしやまち町屋校舎@塾生課題発表
 私を含め12名が課題を発表しました。(私以外全員プロです)
課題の出題者は三澤文子先生です。前回の講習にて課題を出題されました。
簡単に説明します。4人家族で長男、長女の子供。夫婦の年齢はご主人38歳、奥様40歳の家族構成です。
職業はご主人はカメラマン、奥様は家具の販売会社「モノ・モノ」で働かれており東京都中野区に在住。
現在は賃貸暮らし、本格木造住宅を建てたいという願望。
長野県にある胡桃山荘にて宿泊体験をされました。体験する中で不住ながらも自然を体感され、
昔を思い出す光景もありました。
この事を基に土地情報等を与えられ考察するという課題です。
条件は次の通りです。

■敷地

371.07㎡(112.24坪)
建蔽率60%、容積率200%
敷地内、隣地共に高低差無
南西方面に中央アルプスの駒ケ岳が見える
2階からは南東に南アルプス仙丈ケ岳が見える人気のロケーション

■主な要望
現在都内でのマンション暮らし、仕事の関係で2拠点生活を検討
基本的には検討場所を生活の重きをおく、永く楽しめる家にしたい
空気集熱式ソーラーを入れたい
ビルトインガレージ2台(シャッターまでは不要)
将来、夫の母親の同居可能性あり
延床面積は30~35坪
家具は奥様の働かれている「モノ・モノ」の所有している椅子を使う
選択物干し室がほしい
フルユニットバスは嫌
収納は充実してほしい

■提出物
平面図
立面図(2面以上)
断面図
面積表を含む設計概要
模型(任意)
その他プレゼン等
この時点での感想は・・・出題された前回からずっと心が折れてました・・・
 
  
   
課題となった土地景観写真です。
■個人発表
様々な視点から皆さん設計されているのが非常に良く理解出来ました。
むしろそこまで考えておられるのかと感心するぐらいです。
朝起きた時点で天気をみる景観を考える方、収納を考える方、
気候が寒いという視点から物事を考えられる方、
また近隣に将来家が建つことを想定して間取りを考えられる方、
立体的な3Dでプレゼンされ、空間イメージを提案される方等様々でした。
しかし、現実はそれほど甘くなく、三澤文子先生の容赦ないダメだしが横行しました。
私自身、言われてみて初めてなるほどな、と感じる部分が多いにありました。
 様々な建築図面で世間一般的に天井高2400となっており、
それが当たり前になっている固定概念の脱却、
階高を低くすることによりプロポーションを良く見せる手法、
ゾーニングへの考え方、家族団らんとは何か、
ガレージを南に持ってきた時点でプランが限られてくるという難点、
ガレージを目線の一番最初に持ってくることによる第一印象の悪さ、
柱を連立することにより水平線を長くし美しく見せる手法、物干しは北側に造らない事、
乾きにくい、人のアイデアをむやみに使用しない、ガレージの車の回転が出来ない、
廻り階段は危ないので御法度、
防水を行わないといけないベランダはNG等々様々なご指摘を頂きました。
みなさん非常に熱心に聞かれておられました。
特に三澤文子先生は、自分はどうするのか、
これは絶対にしないという事を決めておく事、
そうすれば日々生活する中で自然と観察する癖が出来るという事が大切とおっしゃいました。

■各個人作品
今回は皆さんの発表がメインでしたので抜粋して掲載します。
 
この方の作品が、一番評価が高かったです。プロp-ションが良く、
プランニングから考えるのではなく、断面の基本的な事から考えておられ、
相対的に非常に良いとの事でした。
この方の次に私の発表があり、実は非常に困りました。
しかし、あとの皆さんのハードルを下げたことは事実です。
 
女性ならではのスケッチ力の高さが非常に良く伺えます。とても分かりやすかったです。
熱心に三澤文子先生がレクチャーして下さっています。みなさん必死にメモをとっておられました。


 






女性の発想は本当に勉強になりました。主婦目線とか良く考えられています。

  
この方は3Dにてプレゼンをされてました。
非常に現実味があり皆さんその場にいるような雰囲気になり歓声があがっておりました。
私の発表の雰囲気も掲載しておきます。
  
今回キャドは使えないので手書きにてチャレンジしました。皆さん、手書きの方が、
新鮮味があると励まして下さいました。
結果としてはかなり注意されました。特に要望事項である面積がオーバーした事、
北面の意匠、一階の固定概念による階高の高さのプロポーションの悪さ等々。
実は最初に褒められた方のあとでした・・・。

私の手書きプランです。
 


 
 

 
トータル的には注意が多かったのですが、主寝室が北東にある事と、
子供部屋のみ2階にして基本的に平屋の発想を褒めて頂けました。

■模型
各個人で模型を作成された方の物を掲載します
 
  
皆さん本当にお上手で空間イメージが非常に分かりやすかったです

【所感】
今回は約一カ月間、ずっと心折れておりました。しかし初めてチャレンジしてみて、
設計者の苦しみと言いますか、苦労が本当に良く理解できたと思います。
まさに『生みの苦しみ』です。
その中でプロの方たちも真剣に学ぼうとされる姿勢がひしひしと伝わってきました。
我々職業上、設計士の書いた図面を揶揄される方を度々見かけます。
しかしそういったことを簡単に言える人は、施主との接点をあまり持たない方、
固定概念にとらわれている方、
本当にその人の夢を考えてあげようとしているかわからない方が大半なのではと感じました。
私自身そのことを忘れず今後も精進して行きたいと感じました。






同カテゴリのブログ

新着ブログ