毎日の生活に欠かせない「お湯」。その裏側で活躍しているのが給湯器です。
しかし、その仕組みや種類、安全性について、詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。
今回は、株式会社パロマ様(以下敬称略)の研修センターを訪れ、給湯器の基本構造と、パロマ製品ならではの特徴について伺いました。
取材協力ーーー
株式会社パロマ 関西研修センター
エンドユーザーが実際に製品を見学できるだけでなく、水やガスが接続された状態で給湯器が設置されており、実践的な研修も可能です。
キッチンスペースでは、IHとガスコンロの火力や使い勝手を比較体験できるコーナーもあり、製品の性能を肌で感じることができます。
給湯器の基本について
ーーガス式と電気式の違いを教えてください。
ガス給湯器は、水を瞬間的に加熱する方式で、タンクが不要。省スペースで設置でき、初期コストも抑えられるのが特徴です。
電気給湯器(エコキュート)は、大きなタンクに湯を貯める方式。深夜電力を活用することでランニングコストを抑えることができます。
ーー現在主流となってきているエコジョーズについて教えてください。
エコジョーズは潜熱回収型と呼ばれている給湯器です。
従来型のものはガスを燃焼させてお湯を作る際に約200度に温まった空気を外に排出して捨てていました。
エコジョーズでは今までエネルギーの無駄だった排気熱を利用して効率よくお湯を作る仕組みになっており、従来82.5%だった熱効率を95%まで上げることが可能です。
ガス給湯器ではガスの点火によって金属のパイプが過熱され、そのパイプを通る水がお湯になります。
ガスによって温められた空気は上部に溜まっていき従来はそのまま排気されていたのですが、エコジョーズではまず最初に2次熱交換器で送られてきた水を排気熱で予備加熱します。
その後1次熱交換器でさらに加熱するのですが、ここに来るまでにすでに温水になっているのでガスの使用量が少なく済むため熱効率が良くなるというわけです。
ただし、排熱の潜熱を回収することで2次熱交換機でドレン(給湯器が燃焼した際に排出される結露水)が発生します。見た目はただの水でも、実は弱酸性で環境や配管に影響を与える可能性がある排水です。そのためドレン排水の処理が必要になります。
(集合住宅の場合はこの排水処理ができない場合があるためエコジョーズ給湯器を設置できない可能性がありますので注意してください。)
\もっとエコに!使いやすく!/
「お風呂と台所を同時に使うとお湯が十分に出ない、、、」とならないためには家族構成に合ったお湯の量(給湯能力)を決めることが大切です。
給湯器で使用できるお湯の量で、16号、20号、24号などの「号数」に分かれます。
「号数」とは水温+25℃のお湯が1分間に出る量(リットル)を表します。
※設定温度と水温差によって出湯量は変化します。
20号、24号は見た目の大きさは同じですが内部のノズルの大きさやガスの出る量が変わってきます!
普段の使い方に合ったものを選ぶことでガス代も節約し、ストレスフリーに!
パロマ製品の特徴とは
ーーパロマの給湯器の他社とは違う強みってどこにあるのでしょうか。
一番の強みは”安全性”が高いというところです。
このシートみたいなものが安全装置です。お湯がぐるぐると回る内銅という部分に一周巻いてます。
ですが、パロマ製品はぐるっと一周巻くことで、この部分が銅でできているので年数が経つと金属疲労したり、内部の細かいフィンに異物が詰まって排気が抜けなくなったり(排気ができないと管の温度が上がる)して異常高温になったときに瞬時に安全性高く止めることができます。
黒い部分に電気が通っていて、高温だと周りの樹脂フィルムが溶けて電気の抵抗値が変わります。その抵抗値の変化を読み取って停止するという仕組みです。
ーーフィルムにすることで全面どこに異常があっても感知できるということですね。軽量化にもなっていいですね。
はい。給湯器って周りの可燃物から距離を取らないといけないんですが、パロマ製品はこの高い安全性により、給湯器と可燃物との距離をわずか1センチまで縮めることが可能となり、狭小住宅などでも柔軟な設置が実現します。
ーーなるほど。安全性の他にこだわっているところはありますか。
パロマは日本発祥の会社ということで「メイドインジャパン」にこだっていますね。すべての製品を国内で製造できるようにしています。
品質が高いものを安全に皆様に届けることができるように日々考えています。
ーー精度の高い製品を生み出すためにあらゆる努力を続けられているのですね。
社内や業界にいると新しい目線って難しくなるんですよね。
そこで、パロマではお客様の声をいろいろなところからゲットできる仕組み作りをしています。
例えば商品を購入していただいたお客様がアンケートを出せるアンケートはがきを同封したり、お客様向けのコールセンターを設置したり、修理に行った社員がお客様に聞く話・営業が販売店様に言って聞くお客様のお声を会社で集約したり。しっかり全てのお声を本社の方に吸い上げる仕組みがあります。
ーーお声を聞いてより良い製品づくりに生かされているということですね。
はい。今まで新商品を出しても失敗することもありました。それがなんでかというとおそらく「これは売れるな」という自己満足だったからなんですよね。会社としては売れると思ったけど全然世間に受け入れられていないなんてことはざらにあって。
今はお客様のお声を聞いて商品開発や、モデルチェンジに生かしています。ほんとに小さな、マイナーチェンジかもしれませんがお客様に満足いただけるように日々考えています。
とはいっても環境や使用状況によっては劣化度合は変わってきますので、自己判断も必要ですね。
\いまイチオシ!新製品!/
ウルトラファインバブル給湯器
給湯器を通過したお湯が全てウルトラファインバブルになるので配管・排水配管も清潔に保つことができます。お掃除をする際の赤カビの発生の抑制や、水垢汚れの軽減、シンクの油汚れなどにも効果があるので家全体のお掃除が手軽になります。
実際に社員でシャワーの実験もしましたが本当に保水力が高まるという数値も観測できて効果を実感しました(笑)!
買い替えのタイミングでちょっとした付加価値を提供できる製品です。
取材協力